「長く続く価値」に投資するという考え方——バフェットの実績と、時間の役割

60年で約5万5,000倍。バークシャー・ハサウェイの実績を支えたのは、派手な当たりではなく、長く続く強みを持つ会社を長く持つことだった。時間と複利、物語との関係を考えます。

この記事の要点

  • ウォーレン・バフェットの会社は、約60年で株価が約5万5,000倍になった
  • 強みは、競争相手が追いつけない「堀」を持つ会社を、長く持ち続けたこと
  • 時間と複利は、個人がもっとも使いやすい味方になる

60年で約5万5,000倍

ウォーレン・バフェットが率いたバークシャー・ハサウェイは、1965年から2024年までの約60年で、1株あたりの市場価格が約5,502,284%、つまり約5万5,000倍になった(同社の株主への手紙による)。同じ期間の米国の代表的な株価指数(配当込み)は約390倍で、年率にすると同社が約20%、指数が約10%だった。

バフェットは2025年末で最高経営責任者を退いた。だが、彼が残した考え方は、投資の本としてより、時間の使い方として読むと面白い。

「堀」を持つ会社を長く持つ

バフェットがよく使う言葉に「経済的な堀」がある。お城のまわりの堀のように、競争相手が簡単には攻め込めない強みのことだ。

  • 多くの人が毎日使い、ほかに乗り換えにくい商品やサービス
  • 長い年月で築かれた、信頼されるブランド
  • 値上げしても客が離れにくい立場

こうした強みは、一夜でできるものではない。何十年もかけて、多くの人の習慣や信頼の中に積み上がったものだ。物語の価値と同じく、時間そのものが強みを作っている。

時間と複利

年率10年後30年後60年後
3%約1.3倍約2.4倍約5.9倍
5%約1.6倍約4.3倍約18.7倍
10%約2.6倍約17.4倍約304倍
毎年同じ率で増え続けたと仮定した計算。実際の投資の成績は毎年大きく上下し、元本を割ることもある。

年率の差は小さく見えても、時間がたつほど結果は大きく開く。個人がプロに勝てる数少ない武器は、決算や評価に追われず、長く待てることだ。

個人にとっての教訓

  • 派手な一発より、長く続くものを長く持つ
  • 長く持てるのは、値下がりしても売らずに済む額だけ。生活費や借金で投資しない
  • 強みが本当に続いているかを、ときどき確かめる。堀が埋まったら考え直す
  • 物語が新しすぎるもの、熱狂の真っ最中のものには、高い値段を払わない
熱狂が冷める局面の見方は「高値で売れない」が増えたら、そのとき強い資産はリスクオフのときに強いもの・弱いもので考えた。