リスクオフのときに強いもの・弱いもの
投資家がリスクを避けて資金を引き揚げる局面で、現金・短い期間の国債・金・高利回り債・株はどう動きやすいのか。それぞれの強みと落とし穴を比べます。
この記事の要点
- リスクオフの直後に一番強いのは、すぐ使える現金と、短い期間の国債
- 金は「安全資産」とされるが、急落の直後には売られることもある
- 利回りの高い債券は、中身によっては株と一緒に下がる
リスクオフとは
投資家が損失を恐れて、値動きの大きい資産からお金を引き揚げ、安全と思われる資産に移すことを「リスクオフ」と呼ぶ。景気の悪化、金融の混乱、戦争などがきっかけになる。
資産ごとの動き方の傾向
| 資産 | 強み | 落とし穴 |
|---|---|---|
| 現金(円の預金) | 値段が変わらず、すぐ使える。値下がりした資産を拾う元手にもなる | 物価が上がると、買える量が目減りする |
| 短い期間の国債 | 値動きが小さく、利息がつく。金利が上がった今は、利息の意味が戻ってきた | 国の財政への信認が揺らぐと、国債そのものが売られることもある |
| 長い期間の国債 | 景気が悪くなって金利が下がる局面では値上がりしやすい | 物価や財政の不安で金利が上がる局面では、大きく値下がりする |
| 金 | 国や会社の信用に頼らない。長い目で見た価値の保存手段 | 利息がつかない。急落の直後は換金のために売られることがある(詳しく) |
| 利回りの高い社債など | 平時は利息が多い | 景気が悪くなると、会社の返済能力が疑われ、株と一緒に値下がりしやすい |
| 株 | 長い目で見れば成長の恩恵を受けられる | リスクオフの局面では真っ先に売られやすい |
| 外貨 | 円の価値が下がる局面への備えになる | リスクオフでは円が買われ、円高で目減りすることもある(円キャリーの巻き戻し) |
「現金と短い国債しかない」局面
金利が上がり、株の勢いが鈍り、金も高値から下がっている。そんな局面では、結局のところ現金と、利息のつく短い期間の国債くらいしか安心して置ける場所がない、と感じる人も多いだろう。
ただし、どの資産も「完全に安全」ではない。現金は物価に弱く、国債は国の信用に頼っている。だから、一つにまとめるより、性格の違うものに分けて持つことが基本になる。
考えておきたいこと
- 生活費の数か月分は、すぐ使える現金で持っているか
- 値下がりしても売らずに持ち続けられる額か(売らざるを得ない状況が一番の損になる)
- みんなが投げ売りするときに、拾いに行ける元手を残しているか
物流や決済そのものが止まるような非常時の備えは、荒野の拠点帖「お金が使えない日に価値を持つもの」で考えた。